国際戦略経営研究学会

会長挨拶


当学会は2008年1月に、「戦略経営」のフロンテイアの開拓を目指すという理念のもと設立され、今年度で16年目を迎えました。私は第9代の会長(2024〜2025年度)を務めることになりましたが、歴代の会長が取り組んでこられたこれまでの道程を踏まえて、新しい時代に向けた歩みをさらに進めていきたい所存です。
まずは学会活動の中核ともいえるジャーナル(邦文ジャーナルと英文ジャーナル)、研究発表大会や国際シンポジウム、研究会をしっかりと着実に運営していきたいと思います。そして、国内外の研究機関との交流や情報発信、学会賞の顕彰や出版物の刊行など、様々な付加価値をつける活動を進めていきたいと思います。

国内に経営学系の学会は数多くありますが、当学会のユニークな特徴を挙げます:
・まず実務家の会員比率が35%(2022年10月末現在)と高く、大学教員や研究者と実務家などのプロフェッショナル同志が、知恵を磨き合う場が数多く用意されていること
・したがって、実務家の視点から研究を行い発表しやすい雰囲気があるとともに、研究者としても実務家の提供する実践知を学術知へと転換するための環境に恵まれていること

当学会が取り組む学術領域の特色は、戦略、組織、人材開発、研究開発、財務会計、国際経営など、様々なファンクショナル分野を総合的・体系的に捉える「戦略経営」を展開しています。

経営環境が複雑に変化する中で、企業経営においては経営を総合的に捉える視点が不可欠です。このような新しいパラダイムに挑戦していくためには、総合的・体系的な「戦略経営」論という新領域の確立を目指す当学会の果たす役割は、ますます重要になっていると思います。

さらに、学会名にも冠されているように、「国際」的な視点と手法で戦略経営を論じることが重視されています。設立当初から「和文ジャーナル」に加えて、「英文ジャーナル」を発刊し、すでに第15巻を刊行するまでになりました。国内学会にとって英文ジャーナルの発刊は様々な困難を伴いますが、海外の研究者や英文論文発表を希望する国内研究者にとって貴重な発表の場を提供しています。また研究発表大会でも「英語セッション」を設け、海外の研究者による基調講演やパネル討議を開催するなど、国際性を重視する方針は引き続き堅持していきたいと思います。

人口減少や大学院進学率の低迷する中で、会員数の維持や若手会員の確保は多くの国内学会が困難に直面している共通課題です。当学会としては、産官学連携および国際連携を強化して、社会の要請に応えられる実践力ある学会活動へと発展させていき、多くの会員の参画と会員間ネットワークの拡大に繋げていきたいと願っております

引き続き、常任理事、理事、そしてすべての会員の皆様と力を合わせて、当学会のさらなる発展のために取り組んでいきたいと思います。どうぞ宜しくお願い致します。

国際戦略経営研究学会会長
玉木 欽也

Copyright The International Academy of Strategic Management. All rights reserved.