統一テーマ
大会プログラムは未定ですが、研究発表は統一テーマに関するものと自由論題による発表の2タイプから構成されます。発表内容は、戦略経営に関するものであれば、実証研究、事例研究、分析フレームワークの提案などのいずれでも可能です。
統一テーマは、次のように決定致しました。
“New Global Challenge for the Japanese Businesses
: Burgeoning issues and the new approaches of strategic management”
様々の政策により日本経済の再生への足がかりが出来つつあるようですが、それを現実のものにするためには、日本企業のグローバル化への新たなチャレンジが要請されています。そのチャレンジとは、1つには、かつてのグローバル化の成功後の“失われた20年”で大きく損なわれたグローバルプレゼンスを回復するという、いわば量的な意味での“再”チャレンジを意味します。
しかし、より重要なのは、ニューチャレンジとは、それに加えて、“質的に新たな”チャレンジを意味することです。かつての国際化(=初期のグローバル化?)は、唯一の経済大国たるアメリカ主導の国際市場システムに組み込まれ、その中で相対的にポジションを高めてゆけば良いという単純なものでした。事実、日本企業に必要 だったのは、唯一の競争相手であるアメリカ企業よりも良いものをより安く作ることであり、理論的にも「モノづくり論」があれば足りる時代でした。
これに対して今日要請されているグローバル化とは、政治経済体制、発展段階、文化、人種などを異にする諸国の企業が(政府も加わって)争う、より多極的で複雑化した環境のなかで、競争優位性を獲得・維持し、より高めていこうというはるかに困難な闘いです。そこでの競争は、多くの多様な競争相手に対するものであるため、未経験の様々の問題の発生が予想され、その解決のためには、企業戦略、競争戦略は言うに及ばず、研究開発、生産、販売、人的資源開発などの機能別戦略のダイナミックでタイムリーな展開(転換)とその実現のための資源の再構築が求められています。
そして注意すべきは、これはもはや既存の「モノづくり論」で対応できる課題ではなく、まさに本学会が主張する「戦略経営論」による対応が要請されるものだということです。次期大会の統一テーマとは、この意味での新しいグローバル化へのチャレンジを狙いとするものに他なりません。(逆に言えば、かつてのグローバル化とは、「戦略経営」を「モノづくり」に還元、単純化できた幸せな時代におけるそれだったと言って良いでしょう。新しいグローバル化でも「モノづくり」は重要ですが、それは、戦略経営の一部分たる“戦略的”モノづくりでなくてはなりません。)
ところで、そのようなニュー・グローバルチャレンジの中でも特に重要な位置を占めているのが、上述のような環境の典型たる新興国市場であり、そこでglobal giantsや emerging giants との熾烈な競争を生き抜いて新次元の成長を実現するためには、迅速かつタイムリーで的確な戦略(転換)と資源の再構築が求められています。
以上が統一テーマの趣旨ですが、その実現のための具体的な課題としては、たとえば、次のようなものが考えられます。
- How to develop sustainable global corporate or business strategies
- How to develop sustainable global functional strategies
- How to develop business or functional strategies in penetrating emerging markets
次期大会の目的は、これらの課題に対する分析方法ないし具体的解決策の提案、あるいは事例分析などによって「戦略経営」の実践と研究に貢献し、ひいては日本経済の再生に貢献することであり、多くの会員諸氏の積極的な参加が期待されています。
ちなみに、本年12月にオーストラリアで開催されるSMS (Strategic Management Society) の Special Conference の統一テーマは“Strategic Management in the Asian Century - Dealing with Dynamism, Diversity and Development” であり、また、Diamond Harvard Business Review の本年2月号のテーマは「日本企業は新興国市場で勝てるか(How to win in emerging markets)」となっています。これらに負けぬ成果を出すべく頑張りましょう。
なお、グローバルチャレンジは企業のみならず、学会にも強く期待されるものであり、本学会も国際化を目指さなくてはなりません。昨年度の大会で初めて英語による発表を取り入れましたが、本年度もそれを継承拡大し、できるだけ早期に外国人が会員になりやすい体制を整備する1ステップにしたいと考えています。その意味で、多くの会員が英語による発表にチャレンジされることを期待しています。
募集要領
1)報告資格
当学会員であること
2)報告スタイル(予定)
・自由論題
報告25分、その後の質疑応答15分
・院生セッション
報告25分、その後の質疑応答15分
・英語セッション
報告25分、その後の質疑応答15分
すべて英語で実施されます。
3)申込み方法:
申し込みはすべて、今後開設される学会ホームページ大会サイトからお申し込みいただきます。
学会ホームページ大会サイトは6月10日頃開設予定です。
4)報告要旨集用原稿の言語:英語での発表の場合は英文、日本語での発表の場合は和文。
5)報告要旨集用原稿(日本語の場合)もしくはManuscript(英語の場合)のご提出も学会ホームページ大会サイトの申し込みから原稿を添付していただき、ご報告をお願いします。
尚、日本語の場合は「報告要旨用原稿」作成要領に、英語の場合は“Manuscript Guidelines”にそれぞれ準拠したものを作成願います。また、報告要旨集用原稿(日本語)、Manuscript(英語)のいずれについてもサンプルを用意しました。それをテンプレートとして上書きすれば、ほぼ規定に準拠した原稿を作成できますので、できるだけご利用ください。
6)申込み期限:2014年6月30日(月)必着
(留意点)
昨年までは、まず「発表申し込み」を行い、採択の決定後に(報告要旨集用の)「報告要旨」を提出する方式でしたが、報告要旨が提出されず、報告要旨集のその部分が白紙という事態が生じたこともあり、本年度は、発表申し込み時に「報告要旨」も提出して頂くことになりましたのでご注意ください。
(規定通りに作成された「報告要旨」を伴わない申し込みは受け付けられません。)
7)作成要領/guideline に準拠していない原稿に対しては、修正再提出をお願いしますが、お願いのメール受領後、1週間以内に作成規定に準拠した原稿が再提出されない場合には、申し込みを受け付けません。(なお不受理となっても、再募集が行われることになった場合には、再応募可能です。)